ガイド修行1日目【京都・奈良半日】
京都駅近くのホテルへ8時15分に間に合うように行く。
今日から4日間、ガイドさんのお手伝いに行くことに。
今日は半日で助かった!
ガイドさんは、ガイド歴19年。加えて通訳も翻訳もするベテランさん。ロビーで会うなり「昨日はね、とんでもないトラブルがあったのよ」という。聞けば、アシスタントにお金の支払いを任せていたら領収書16,000円がないと言う。昨日のアシスタントは「全部渡したから無い訳ない」とのことで、ガイドさんは部屋中くまなく探しているところに結局アシスタントから券があったとのこと。券とは、たぶん領収書に相当するものなんだろう…とのことで事無きを得たけれども「悪夢のようだった」と。
ひょえーー。「私、お金の管理するのか!」眠気も一気に冷めてしまった。
「アシスタントをするのは初めてだ」と告白すると、ガイドさんも「アシスタントがつくのも初めてよ」と答え、「かえってもう1人面倒みる人が増えるみたいですよね」と遠慮がちに言ってみると「そうよ。気を使うわよ」と言う。ああ、やっぱり…。私、役立つだろうか??
今回の私の役目は3つ
①お金の支払い(入場券)…レストランも??
②人数確認
③列の最後尾についていくこと。(でも、後ろで勝手に話さないように。)
早速ロビーで人数を確認すると4、5名少ない。ガイドさんが「きっとバスに直接乗っちゃったんだわ」バスで人数数え直しましょう、と移動すると…本当にバスに乗ってた。ロビー待ち合わせなのに、こういうこともあるのねー。
バスで人数を数えると、今度は予定しているよりも2名多い。3回数えても2名多いので、ガイドさんに伝える。するとガイドさんは「名簿貸してね」といい、参加しない人たちの名前を言い始めた。賢いな〜。32名中23名が参加しているのだから、いない人を呼ぶ方が早い。私はきっとバスに乗っている人の名前を呼んでたんじゃないかな、と思ったからこれだけでもとっても学びになった。足し算の発想じゃなくて引き算の発想だよな〜。
ツアーへの申込、お金の支払いの確認をしたあとで、あとで旅行会社に確認する必要があることを伝えると同時に、「旅行会社はよく間違えるのよ」とお客さまへのフォローを忘れない。そういう一言が大事だよなあ、と思う。
23名ではなく、25名で出発。
バスに乗ると早速「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」と日本語のあいさつについて紹介し、劇や芸能界では夜から仕事でも「おはよう」というとかも説明して、シートベルトをちゃんと締めるように伝えて、今日の行程について説明があった。
京都の歴史、神道、神社の式年遷宮、日本の四季などゆっくりと、でもずっと1時間ほど話していた。すごーい。私なら、しゃべることがないなあ…。
東大寺到着前には、何度か繰り返しながら、集合場所は「バスに10時45分ですよ」と伝える。そして、鹿に気を取られるだろうけれど、自由時間を取りますから、最初に東大寺に行きますよと言う。実際、鹿と写真を撮ろうとするカップルでは「後で時間あるって行ってたし前に進もうか」という声を聞いて、結構聞いてないようでしっかり聞いてるんだな〜と思う。
途中、家族で参加しているラケルさんが娘を見失ったという。それならば…と姿は見えないけれども、駐車場まで念のため走って探した。でも、やっぱり姿が見えないのだもの、いなかった。いやあ、汗かいた。このことをガイドさんに伝えて、今度は切符を買わなくちゃいけないからと先頭を探して前に走る。
最後尾を歩きながら、入場券を買うタイミングはなかなか難しい…。
けど、まあ、入場券を買うのは一時のことだし、なんとかなるだろう。
入場券を買ってガイドさんのもとに行くと、娘さんがいた。1人でどんどん先を歩いていたそうだ。ああ、良かった。
一番最初に聞いた【領収書紛失未遂事件】のことが頭にあるから、ビクビクしながら券を買う。今日は券の購入は一回で、本当によかった。徐々に慣れて行くしかない。
東大寺を見学し、鹿とふれ合って…途中、カップルの鹿との写真を撮ってあげる。
なるべく名前を覚えようとするのだけれど、家族とか女性だけ、とかは覚えやすいけど夫婦参加はなかなか頭に入ってこない。
10時40分頃、バスを降りて来ない人を迎えに行きましょうか?と言うと「そんな必要はないわよ」という。「不真面目なガイドでしょう?」と言いつつも「日本まで来るイタリア人は賢いから、幼稚園児を扱うように手取り足取り見てあげる必要はないのよ。時々心配そうに幼稚園児に接するかのようにしているガイドさんもいるけど」
そして実際、遅れても5分くらいで、ちゃんと戻ってきた。
多分、それは、事前にガイドさんが、集合場所を10回くらい言ったり、「集合場所と時間が分かった人は手を挙げて」と確認していたからだと思う。
ガイド新人研修の時に、年を取ると重たいから何も持たなくなる…と教えてもらった通り、今一緒にいるガイドさんは集合場所と時間の指示は口頭のみ。それでも、ちゃんと伝わっている。私はホワイトボードとか画用紙とか使って学んだけど、そういうもんだろうなあ。
ここでも、本殿でのお参りは参加者全員一緒にします、同じグループが一斉にお参りするのが日本式で、とても重要なことですと説明する。一斉にお参りすることなんて全然知らなかったけれど、それは私は普段集団で参拝しないからだろうな。実際本殿では一斉に手を鳴らすほうがきれいで、印象的だったし、人数を数えると全員いてびっくりした。その前後はあちこちに散らばっていたから。
奥の院へ着いたら、その先には行かないように注意をして、集合場所を最後に伝えて自由時間になった。奥の院の先を歩く時間は十分にあるのと、私が稲荷大社が好きだからだと思うんだけれど、この部分だけはちょっと残念に思った。稲荷大社の良さの、長い鳥居のトンネルを実感できたかな〜。単なる赤い鳥居がある神社、というのとは違うのだもの。
12時50分の集合時間には、23名揃っていた。あと2名。人数確認をするけれど、整列しているわけじゃないからとても数えにくい。でもって数え間違いで時間を押してしまったら申し訳ないし…数え間違いかなあと思いつつ、何度も数えた。結果、しかたなく
点呼を取った。アンドレアとカティア組がいないと気づき、ガイドさんが「私は先に行きますから、2人が来たら後からついてきてください」と指示があった。
「はい」と答えつつ、私、彼らの顔を覚えているかしら〜と思う。頼るはオーディオガイド。
幸い、3分後には2人がやってきた。ああ、良かった。きっと2人は鳥居の先に行ったんだろうな。だって、奥の院に最後までいたのは別の夫婦だったもの。
アンドレアとカティアは結婚25周年を記念して日本に来たそうだ。25年も経ったとは思えないくらい若々しい。なぜか「結婚なんてするもんじゃないわ。あなたは結婚しているの?」と、すごく幸せそうなのに聞かれた。「していません」と答えると「よかったわね。結婚しないほうがいいわよ」と言う。それでいて25周年をとても嬉しそうに語るし、やっぱり幸せそうだから言葉と表情のギャップがよく分からないものの、2人はとても清々しくていい人たちだなあという印象を持った。
13時半を少し過ぎてホテルに到着。
その後、ガイドさんが伊勢丹までの道のりを自由行動として案内し4組の参加者が伊勢丹11階のレストラン街まで一緒に来て解散した。
その後、ガイドさんから「私たちもどこかでお昼を食べませんか」と誘ってもらったので「ぜひ」と言って、空いてるところがあるといいわね、というので「よかったら、9階でもよければ比較的空いているオススメのところがあります」と市場小路へ。
並んでいなくて、京都タワーも見られて、「穴場ですね」と言ってもらった。
あまりあれこれ聞いてはいけないと思って、私のことをペラペラしゃべりつつ…
昨日のガイドで気になっていた「決められた時間よりも早く終わった場合は、報酬も半分になったりするのでしょうか」と聞いてみた。すると「当日キャンセルはほぼ100%お金は返ってこないから、当日キャンセル扱いと同じで、報酬も減らない」とのこと。なるほど〜。さらに、レストランを当日キャンセルする場合は??とも聞くと、通常は
レストランは予約した時点で代金を旅行会社からもらうことになっているそうだから、キャンセルされてもレストランは全く問題はないみたい。今回、私がレストラン代を立て替えることになっていたから、きっと代金についてはレストランと旅行会社で話し合っていて、私は何もする必要はないだろうとのこと。そっか〜。
ほかに、通訳の話や翻訳の話などを教えてもらったり、10年前なら高野山や伏見稲荷、妻籠や馬籠に行くことはなかったなあという話を聞いたりして、明日の集合時間を確認してお別れした。
さ、明日からのガイド研修がんばろう〜。