京都&海外まち歩き〜通訳案内士カルラの日記〜

京都のおすすめ、国内外の旅で見たこと感じたことをお伝えします。

世界最古の木造建築を見に法隆寺へ

一度も行ったことないところを案内する、という気持ちになれず、法隆寺へ下見に行ってきた。

 

JR奈良駅で乗り換えて法隆寺駅で降りる。

暑いのでバスに乗って法隆寺前にて降りる。

 

バスは一瞬法隆寺の前を通り過ぎた先の停留所で停まった。

「もっと近くに停められるじゃん?」と思いつつも、きっと沿道のお土産屋さんへの配慮で参道の端に停まったんだろうな〜と思う。 

 

観光案内所で地図をもらうと「写真スタンプラリーやっているよ。」

と言われ、観光案内所裏手にある写真撮影場所の一つでこの石碑を撮った。

 

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さて、法隆寺につくと観光ボランティアをしているシニアの方がいて一緒に回れるとのこと。「ぜひ、お願いします!」とあいさつをする。

「時間はどれくらいありますか?」と聞かれ「時間は気にならないのですが、全部見たいです」と伝えました。時には30分しかないお客さんもいるそうで、その方が大変だ…ということを言われ、スタート。

 

こちらは、川があふれようとも法隆寺に水が浸かるのをせき止めたという伝説の鯛石。

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奈良のお寺は空間が広いなあ。

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法隆寺と書かれた石の書き手を見ると…平山郁夫と記されている。

唐招提寺にある平山郁夫の青い青い絵を思い出す。

 

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「時間があるなら」と案内してくれた西円堂からの法隆寺の眺め。

再沿道は八角形をしていて、飛鳥時代に作られた薬師如来坐像が飾られている。

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柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺

2時の鐘を住職さんがついていた。そうそう、この有名な詩。正岡子規の作だそう。

私はもっとずっと前、奈良時代の詩かと思っていた(笑)無知ならではの思い込み。

しかも、「なんで柿を食べたら鐘が鳴るんですか?」とガイドさんに聞いてみた。

ガイドさん、えっ??とうろたえる。

「柿を食べたから鐘が鳴るんじゃなくてね、たまたま正岡子規が柿を茶店で食べていたら鐘がなったんですよ」と昔茶店が境内中にあったこと、奈良は柿がよく穫れることをお話していただいた。あはは。私の頭の中は風情もあったもんじゃないなあ。

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まず金堂へ。

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灯籠に刻まれた葵の紋と九目結紋。

徳川家が修復したり、再建したことを意味します。

九目結紋は5代将軍・綱吉の生母桂昌院が寄進したもので、桂昌院の実家の本庄家紋です。

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東寺、金堂。修復中の中門。711年に作られた仁王さまがいます。

銅張がギリシャ神殿のエンタシスと似ていると言われています。

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正岡子規の「柿くえば鐘がなるなり法隆寺」の石碑。

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飛鳥時代に建てられた金堂には、

①金銅釈迦三尊像飛鳥時代)…聖徳太子のために作られた

②金銅薬師如来坐像飛鳥時代)…聖徳太子の父・用明天皇のために作られた

③金銅阿弥陀如来坐像(鎌倉時代)…聖徳太子の母のために作られた

がある。

壁には、「どうみても女性に見えるよねえ」ガイドさんがつぶやく観音さまが描かれていて、焼けて修復したけれども、日本での修復は、新品に直すことではないと教えてもらう。

 

五重塔飛鳥時代

お釈迦さまの遺骨を治めるものだそう。高さ32.5mで日本最古の五重塔

東面:維摩居士文殊菩薩の問答。維摩居士が病気になった時、誰も上手に問答できないとの理由でお見舞いに行きたがらなかった。賢い文殊菩薩が代表でお見舞いに行ったそう。

 

南面:弥勒菩薩の説法。

 

北面:お釈迦様の入滅。死は悟りに入る意味もあり、また輪廻天性という意味もあるので、仏教では悲しいことではない。そのことを知っている僧たちは落ち着いた表情をしているけれども、一般の人たちは嘆き悲しんでいる様子が描かれている。

 

西面:釈尊遺骨の分割(荼毘に付す)

 

この四面の彫刻は素晴らしく、つい見入ってしまった。

 

もしガイドの時間が短かったら、とりあえず金堂、塔、講堂を回って帰るんだろうな。

なんか、もったいないなあ。

 

私は結局2時間半ことで過ごした。法隆寺全体が寺町のように、ひとつのまちみたいだと思った。住職さんの数を聞いたら…13名。こんなに広いのに!

1日に全てを回れないので、日ごとに法要するのだそう。