京都&海外まち歩き〜通訳案内士カルラの日記〜

京都のおすすめ、国内外の旅で見たこと感じたことをお伝えします。

40人京都市内バスツアー

一週間前の雨予報は、昨日くもりに変わり、今朝は青空広がる温かい1日に。

avete portato il sole!

意味は太陽を連れてきてくれたね、だけれども「晴れ男(女)だね」という感じで、お客さんに喜びを伝える。

 

今日出かけたツアーは、総勢1,500人も!いるそうで。いくつかのホテルに分かれて泊まっていた。そのうち65名いるイタリア人を、私ともう1人のガイドさんとで担当することに。もう1人のガイドさんは東京からやってきたそうだ。明日も関西で案内があるから、というのが理由だそうだけれども遠路はるばるという感じだなあ。

 

15分ほど、今日の担当ガイドが集まって事前打ち合わせをした。「人数確認はしなくてもいいですが、リーダーさんがしなければしてください」と言われて、人数確認という重要な業務をすることをすっかり忘れていた。だって、バスでの団体ツアーは8月以来なんだもん…なんて、言い訳か💦いや〜打ち合わせをしてくれてよかった。

16時ホテル帰着厳守なので、今日は早く帰る分には構わないとのこと。渋滞とか不測の事態に備えるには、それを聞いて安心した。

バスに人数分のサンドイッチを詰め込んで、お客さまの到着を待つ。

運転手さんはあいさつを済ませたらササッとホテルのお手洗いに行ってしまって、その間にお客さんがバスに乗り込んでいた。メキシコ人のツアーリーダーのEさんとAさんがいて、人数確認をしてくれるという。ありがたや〜。

 

さあ、8時30分にバスを出発。

最初に名前を言った後、あいさつの練習。

おはよう、こんにちは、こんばんは、おやすみ

ありがとう、どういたしまして、いいえ

…日本語を少し知っているルイジさん(仮)が次々言うので、予想外にいっぱい練習した。

続いて、バスの運転手さんを紹介し、イタリア語と日本語で運転手さんにあいさつ。

運転手さんが「ハネムーンでイタリアに行きました」と言われるので通訳。

「いつ?」「どこに行ったの?」「おめでとう!」と口々にイタリア人は言う。

 

行程を説明して、サンドイッチは全ての訪問地を回った後に配ること、「京都はパンの消費量が日本一でパン屋さんが市内220店舗あります」と伝えた。

…何分、ここから1時間話題を持たせないといけないので、小話どうしようかな〜という感じ。言えること少ないし。

 

この2、3日高校生の試験前の一夜漬けのように、睡眠時間を削ってイタリア語で言えるようにまとめた資料を出して…京都の地理と歴史を伝えた。私の歴史発表会じゃないからと開き直って、資料を読んだ。未熟でごめんなさーい。 

 

続いて伏見稲荷大社について伝える。これも、もっと色々言えることがあるんだろうな〜。神道について、神様について、とか。触れない訳にはいかないから、最低限のことを伝えた。

 

9時半に稲荷大社に到着。

「歩いて通るだけでもいい」と言われていたけれど、説明する時間もあるし、かといってバスでたいがい説明しちゃったから…仕方なく、繰り返して説明した。「バスでは全員に伝えられたけど、目の前のものは声の届く範囲だし、ま、いっか」という感じで。

おもかる石のところにも行って、くるりと一周して帰ってきてだいたい10時30分。

バスの運転士さんに電話すると、駐車場に集まってから電話をかけて欲しいと駐車場の人に言われたそうで、駐車場に向かって歩く。

10時50分には着いて、11時にバスは出発。

 

続いて金閣寺へ。西大路通りを通ったので、目の前に見える大文字とお盆について、横を通った平野神社の桜について話した。

 

金閣寺では旅行会社のアシスタントさんが待機して、チケットを買って渡してくれた。

「中でお札もらってください」と言われるものの、ピンとこない。そうだ。私、団体初めてだもん。「中のどこに行ったらいいですか」と聞き返すものの、イマイチ分からず…もう1人のアシスタントさんが「陸舟の松の近くの、写真が飾られている小屋です」と言ってくれて「分かりました!」と答える。よかった〜。

アシスタントさんも私が初めてかどうかなんて分かんないもんな〜。何度金閣寺に行ったって、素通りするものは分からないのだなあ…と気づく。

 

金閣寺、境池湖、陸舟の松、鳳凰、鯉魚石、白蛇の塚、夕佳亭などを紹介して、バスへ。三十三間堂に行く。

 

1から10まで、日本語で練習して三十三間堂の話をする。

 

駐車場に着いたら、スタッフの人が「一回外に出て、ちゃんとした入場門から入って」という。うーむ。建物が目の前にあるのに、通れないのか。バスの窓から入場門を確認しといてよかった。個人で来る時はなにも思わずに入っているから、意識するととたんに無事に入場門をくぐれるか不安になる。

 

着いたら、またアシスタントさんから券を受け取った。「40」と書いてある紙を見せて、団体用の柵を空けてくれて、人数を数えていた。ひとまとまりじゃないとだめだな〜と思った。そういえば、金閣寺の場合もガイドを側につけて、カウンターと声で確認していた。2枚用紙を渡して、人数を数えてあっていたら、用紙を1枚返してくれた。その用紙は、次に拝観券とパンフレットの引換券になっていた。うまくできてるな〜。

 

通り抜けたら、靴を脱ぐところが新しくなっていて、また勝手が分からない。多分、こっち…という感じで進む。靴を脱ぎ、またお寺への入口を探す。スタッフがちっとも見つからない中、やっと制服を着た女性を見つけた。「はい。ここは出口ですので…」と言われる。あー、分かりにくい(一度行けば分かるのだけれど) 

 

三十三間堂は、全部が揃っていて、特別階段が設けられたところは照明もきれいで、とってもきれいだった。

 

角に立ち、小声なので何回かに分けて同じように説明を試みる。

これが風神です。観音さまは40本の腕があります。

「1000は数字の意味だけではなくて、無限を意味する」と言うと他より関心度が高かったような気がする。

 

お客さんの中には2人、納経帳を持っている人がいた。びっくり!「きれいなんだもの」という感じで…今後日本に来るかな?と今になって思う。

 

ああ、そうだ。鮮やかな色があった証拠…という所で、「なんと書いてあるの?」と聞かれ書いてあることは分かるものの、それがどこか分からない💦 同じものを探していて、どうやら見つけた初老の男性に教えてもらう。セーフ!! 名残は分かるけど、極彩色を想像するのは難しいなあ。

 

ほかに、先祖供養、水子供養卒塔婆に「これ何?」と聞かれた。意味は分かるけど、これを三十三間堂で書いてもらって、どこに置くんだろう?お墓??でも、お墓のある寺で書いてもらえるしなー。あの木の紙は何の木なんだろう?宿題にしよう…。

 

14時15分にバスを出発し、ホテルへ戻る。

眠ってもらおう…と思っていたら「帰りも何かしら話して」という指示が今朝出されていたのでガーーーン。話すネタがない…とのことで、まずはサンドイッチを食べてもらって…。昨日準備したものを半分に分けていた「日本の四季と行事」を読んで紹介する。

出された質問としては「北海道の雪祭りはどんなの?」「沖縄はどこにあるの?」

「日本の貧富の格差は大きいの?」「日本は安全だと思えるけど、どう?」

という感じ。 

正直眠っている人には申し訳なかったけれども「話して、という指示があるか話します」なんて言ったら嫌々しているみたいだし言えないしね。話したいからじゃないんだよ〜!と思いつつも、仰せの通りにがんばった。

 

到着したら、ルイージさんの発案で、一斉に「ありがとう」「complimenti!!」と私に拍手してくれた。涙出そうなくらい感動した!40人バスの中だから、一人ひとり、遠くまで見えるように手を振ってありがとう!と伝えた。そして、一人ひとりを握手しながらお見送り。結構これってウルルン滞在記みたいなお別れの仕方だなあ。 拍手という最高の贈り物をもらってとっても幸せ。

 

15時半にホテルに着いて、16時厳守を守れてホッとした。

終わって、電車に乗る時にはどっと眠気がやってきた。気を張って疲れたんだなー。

無事に終わってよかった。